北海道新聞2月6日

リングプル再生ネット

車いす2台を寄贈

【江別】 アルミの空き缶のリングプルを集め、車いすと交換する活動を進めているグループ「リングプル再生ネットワーク」(事務局・江別、高橋俊夫代表)がこのほど、同活動に参加している登別市内の小学校などに車いす計二台を贈った。野幌商店街の商店主らが中心のメンバーの同ネットは昨年四月の活動開始以来、約四千四百万個、二十二d余りのリングプルを回収。リサイクルと福祉を結びつけるユニークな活動が着実に根付いてきている。

 同ネットには現在、道内外の約三百八十の個人や福祉団体、企業などが所属している。今回、車いすが贈られた、登別・若草小と札幌市中央区の北日本石油札幌支店の二団体。
 同小は、一九九七年から回収を開始。約四百人の児童や地域の住民が力を合わせ、同ネットワークが定める車いす一台分の規定量(六百九十`)を集めた。車いすは同小を通じて十五日に登別市内の病院に寄贈される。
 また、同支店は、昨年二月から札幌市内などガソリンスタンド二十二カ所で従業員や客に協力を呼び掛けた。車いすは一日に同支店から札幌市社協に寄贈された。
 同ネットは、会員の個人や団体がリングプルを三十`分集めると、活動に協力している大手運送会社に随時引き取ってもらい、江別市内の金属買い取り業者に販売するシステムを採用。個人で送られてきた少量のリングプルは、同ネットで規定量に達するまで保管することもある。
 昨年十二月には札幌市内の児童館と岩見沢市社協に第一号、二号の車いすが贈られている。
 現在、上川管内鷹栖町の社協ボランティアセンターが既に規定量に到達したほか、市内でも第二小と江別市社協が規定量まで迫っている。高橋代表は「リサイクルはもちろんのこと、小さな善意が形になるという教育効果や達成感が大きな目的です」と次の車いす贈呈を心待ちにしている。


北海道新聞 江別版 2001年(平成13年)2月6日 火曜日