北海道新聞 平成13年 3月19日
リングプルで車いすを入手
札幌の5小中学校がスクラム
厚別北中生徒会が呼び掛け
札幌・厚別通小や厚別北中など周辺五小中学校が協力して空き缶のリングプル約九百キロを集め、このほど車いすを手に入れた。昨年一月から開始。一年余りの短期間で車いす交換を実現するのは珍しいという。
厚別通小と厚別北小、厚別北中、厚別南中、厚別中の五校。厚別北中の生徒会が「生徒全員で取り組め、地域に役立つことを」と呼び掛けた。
リングプルは、江別市に事務局のある市民団体「リングプル再生ネットワーク」に送ると、同団体がリングプルを廃品業者に売却、そのお金で車いすを購入。リングプル約九百キロでアルミ製車いすと交換してくれる。
このうち、三百七十七キロを集めた厚別北中は、生徒会が執行委員会便りで「棒グラフ」を書いて達成度を周知したり、地域の人が協力してくれた時は取材して写真入りで紹介。また、四百五キロを集めた厚別通小は子供達が小売店や商店街に協力を依頼する手紙を書くなど、各校がそれぞれ工夫を凝らした。
現在、全国約四百団体が登録している同ネットワークは「リングプルは一個0.5グラム。車いすの交換するまでには最低でも二、三年はかかる」と驚いており、十五日に厚別北中を卒業した前生徒会長の中村誠君も「まさか、卒業するまでに形になるとは思わなかった」とスピードゴールに喜んでいる。車いすは、厚別区社協を通じて、利用希望者を募る。
北海道新聞 札幌圏版 2001年(平成13年)3月19日 月曜日